Resilience = 回復力

Resilience = 回復力
 
まさか、あんなことでトラブルが起こるとは思わなかった。
一寸先は闇とは言うが、あんな些細なことでダメージを受けるとは思わなかった。
 
どう対処すればいいか、自分がどう言葉を返せば状況が上手く収まるかは分かってはいるけれども、体力がない上にトラブルが起こりすぎて、私の心身は耐えられなかったようで、私は、相手に文句を言った。結果、言いたくないけれども、具合が悪いのだと明かすことになった。
 
体調がさらに悪化し、しまいにはフラフラしてきて、身体中が痛くなった。皮膚をさわるだけで身体が微かな痛みを感じる。
テストだったが、手に力が入らなかった。いまの私が書けるエッセイだったから良かった。
 
「どうやって resilience をつけるか」という問いであった。
 
resilience
(病気やショックからの)回復力.という意味である。
 
先生のクラスをもとに、どう書けばいいか、私は分かっていた。
手に力が入らなかったけれども、ミミズ文字で、どうにか書いた。論理的かどうかもよく分からない。とにかくフラフラするし、身体がいたい。
 
ただ、先生は、授業で言ったことを繰り返すだけのエッセイは書いて欲しくなさそうだったので、この回答だと先生はつまらないと思うだろうなと思い、思いついたことを書いた。
 
「回復力に必要なのは、人との繋がりと人間性です」と書いた。(お前(私)が人間性と偉そうに言うなと思うのだけど)
人は一人では生きていけない。社会において良い統治をするためにも、人との協力が必要である。教育も教師がいるから成立する。回復力を持つためには、健康であることも必要だけれども、人は自分の意志や努力とは別に、病気になることもある。そのときに、私たちは人の助けを必要とすることがある。辛い時に、私たちは人の助けを必要とする。だから、回復するときには、ときに人の助けが必要なのだ。
 
でも、人の助けというのは、何もせずしては得られない。相手との信頼関係を構築し、相手の気持ちを考え、相手に思いやりを与えてこそ、得られる。だから、人間性が大事だ。もちろん、性格が良ければ世の中を生きていけるわけではないし、ときには狡猾であることも必要ではあるけれども。
 
まぁ、回答になっているかどうかはわからないのだけれど、そういった言葉が出てきたので、書いていった。こう書くと、私は聖人なのか? という問いが出てきそうである。私は他人との信頼関係を構築できなかったこともあるし、自らブチ壊したこともある。相手への思いやりが足りなかったと、後になって気づくことも沢山ある。そして、周りの人間で信頼関係をまったく構築できずに一人ぼっちになった人も見た。だからこそ、私はこれがとても大事だと心から言えるのである。
 
私はこの夜、ある一人の女性に電話をした。
涙があふれてきたとき、自分の問題を誰に言えるかと考えたとき、彼女以外にはいないと思った。
私と同じように強く生きなければ生きていけなかった親友というか、お姉ちゃんみたいな。
 
私は、誰にも言ってこなかったこと、自分の過ち、言いたくなかったことを、全部話した。本当に全部話したと思う。彼女としては聞きたくないこともあっただろうと思ったけれども、彼女に言うしかなかった。それで、彼女も、この過程が私を癒やすために非常に重要なことを理解していたから、全部聴いてくれた。
 
その時間、5時間。
話し終えたときには、夜中の3時前だった。
 
それでも、電話を切る素振りを見せず、私が「早く切らなきゃ」と思っても、私がリラックスするまで話をさせた。
「やっと、ゆっくりとした話し方になったね。リラックスしてきたね」と言われたとき「すごい、すごい!」と私は彼女に言った!本能的に言ったのだと思う。そのときに、彼女が私の電話を途中で終わらせなかった理由が分かった。私を元気にするためには、私が抱えているものを全部話させ、適切な言葉をかけてやり、それでこそ私は心の安らぎが得られるのだと、彼女は知っていたのである。彼女の懐のふかさがすごいなぁと言ったら、「経験だよ。だから、あなたの苦労も無駄にならないんだから」と言われて、さらにこの人はすごいなぁと思った。
 
 
彼女との話のなかで、様々な気づきがあった。
 
私はこの12年のキズを他人に・・・少なくとも一人の人に冷静な分析の上で話すことができたということ。これは、私のキズが癒えてきたことを意味しているのだろうと思う。「ああ、終わったんだ。乗り越えたんだ。」と思った。
 
しかしながら、このトラウマが残っているのも事実であり、それを彼女に話した。
 
「トラウマがあっても、最後には愛があれば乗り越えられるよ。大事なものは残るから大丈夫」
それを聞いて、安心した。前へ進めるかもしれない・・・たぶん・・・と思った。
 
 
寝るとき、胸のつっかえが取れたような心持ちだった。すーすーと呼吸ができる。
朝、目覚めたときもそうであった。
 
私には、私を大切にしてくれている人がいる。
だから、次、なにかあっても、たぶん戦える・・・かもしれない。
 
回復の大きな一歩を、昨夜ふみだした。
 
 
 
 

 
 
昔の自分を、私は悪いやつだと思っている。それは、他人を傷つけたからだ。これを言うか言わまいか迷ったけれども、「今の私と昔の私は違う。」と言われたこと、そして、自分を隠すのはもうやめたいと思った。
 
私は昔、男を騙すことで、男に復讐していたところがあった。それは、男が私に甘い言葉を囁き、自分の思い通りに操ろうとしていたからである。私はそんな男は元より好きではないので、騙されはしないが、「相手が騙してくるなら、騙し返してやる」と思っていた。首筋にキスをしてみたり、「好き♥」とか、もう嘘の塊が息を吐くように、口からどんどん出てくる。これは、男の本能というのをいやというほど見ていたから、だったら、騙し返してやる。と思っていたのである。
 
でも、これが、好きな人ができると、迷いが出てきた。それは、この行為をすると、自分の好きな人間から嫌われる可能性が出てくるからである。それに私が好きな人に「会いたい」とか言ったときに、「嘘なのか」と疑われるためである。だから、私は、少なくとも「言葉で嘘はつかない」と決意したのである。じゃあ、ほのめかしはするのか?という問いであるが、ほのめかしというのは、女性の本能的に出てくる部分があるから、これは確約できない。それをわざわざ押しつけると、無駄なストレスがかかる。