口説きテクニックから考える。

相手の弱いところを突く。
 
これは常套手段で、口説きテクニックである。
相手が弱っていたら、あまい言葉を囁き、同情する。
そして、相手が心を開いた瞬間に、相手を自分の腕に抱き込むのである。
 
でも、稀にこれをしない人がいる。そうすると私は「あれ?」と思う。
私の好きな人は私が弱っていることを知りながら、優しさをくれたけれども、それが本当に分かりづらい形での優しさだった。そして表面上は非常に厳しいことを言う。だから、私は彼の優しさを信用したところがある。
 
世の男達はあまい言葉を囁くのに、彼は囁かない。
でも、優しさをくれる。
 
だから、彼のことが好きなのだろう。
 
もちろん、私が若い頃に口説かれまくって、もう男を信用できないから、こういう態度が好きなのもあるだろうけれども。
 
私と同様にたくさんの男性を見てきた私の女友達が言うには、彼は打算がないと言う。自分の好意を隠そうという打算は働くけれども、口説くための打算がないと言っていた。
 
そうか。
それは信頼できるなぁと思った。