嘘かマコトか?

嘘かマコトか?
 
ローラの結婚式のCMの評判が良かったので見てみた。
 
「ローラがかわいいから評判がいいだけであって、彼女の喜びやハニカミは偽物でしかない」という印象を受けた。これが、本物の演技派俳優で、監督も実力者だと、演技に魂が入り、表情や言葉に命が宿る。まぁ所詮プロモーションだしな、と思った。
 
前にも言ったが、NHKのプロフェッショナルという番組で、10代の子が編集者に弟子入りをした。そのうちの歌人志望の女性が泣くシーンがある。なぜ泣いているのか分からないのだが、おそらく自分のユメが実現不可能か何か、その類であろうかと思う。
 
私はこの涙を見て思った。この涙は、偽物ではないだろうが、カラダの底から溢れてくる、魂の叫びに似たような涙ではないなと。これでは詩を書いたところで味気ないものしか出てこないだろうと思った。
 
私は、一度泣こうか迷い、最終的にやめたことがある。大昔、イジメられたとき(深刻な感じではなく、ちょっかいの激しいバージョン)、ただただ怖かった。それがヒートアップしてきたので、私は震え上がった。ちょっと涙が出てきそうになり、カラダが硬直してきた。ここで泣いてしまえば、イジメなくなるかもしれないという戦略的な考えも出てきた。しかし、涙が出てこない。理由は、右記のような感情が私の中に生まれてきたからである。「まぁでも、これくらい大した事ないな」と。それに、嘘の涙を流すほどの体力も演技力もない。嘘くさいと逆に自分がシラケてしまい、自分で恥ずかしくなるだろうと思った。泣けたら一件落着な気もしたが、如何せん涙が出てこないものはどうしようもない。それで、テキトーにかわし、何事もなかったかのように振る舞った。振る舞ったーというよりは、まぁアッケラカンとしていたという方が正しく、相手は機嫌でも悪かったのだろう、イジメやすいというのは、自分の感情をさらけ出せるという意味だから、悪いことではないような気さえしてきた。大した事はないじゃないかと思った。
 
私は俳優にはなれないなと思った。