におい

外の空気をいっぱいに含んだ洗濯物のかおりで、幸せなきぶんになった。
これまでは手洗いだったので、洗濯物が乾くのにとても時間がかかっていた。洗濯機、水を絞り出してくれて、ありがとう。私の腕力じゃ敵わないわ。

なぜ洗濯機を使わなかったかというと、4階に住んでいて、洗濯機のある1階に降りるのがめんどくさいから。トータルの時間でいうと洗濯機を使った方が明らかに早いのに、洗濯物を洗うのが、ちょっとした息抜きだった。そして、いろんなことを気づける仕事でもあった。洗っているときの洗濯物のにおいで、自分の一日の行動の程度が分かる。よく歩いた日は、やっぱりたくさん汚れている。洗濯物を通じて、自分のからだを知る。

二度ほど洗剤で洗うと、きれいになる。でも、水で流すのは水が透明になるだけではちゃんと洗剤がとれないということに気づいて、洗う回数を増やす。

ああ、こういうことを、昔はやっていたのだなぁとか思いながら洗濯をする。

それで、4階にみんな干していたのだけれど、嵐で洗濯物が飛ばされて以来、禁止ということになった。もともと禁止だったのだけれど、マレーシアというのはルールがあってないようなものなので、みんな構わず干していたのだ。

しょうがないので、めんどくさいと思っていた洗濯機を使うことにした。なにより、細かいお金を持っておかないといけないのもめんどくさい。両替のために買い物に行ったりする。

でも、明らかに洗濯機を使った方がはやかった。私の腕力で絞った洗濯物とは大違いで、松下幸之助さん、ありがとう、と思った。あ、パナソニックの創業者です。

ここのは松下幸之助の洗濯機ではなく、よく見たことのない洗濯機で、AIUのものよりも期待していなかった。でも、きれいに洗濯と乾燥がなされていて、うれしかった。AIUだと2回も回しても乾かないの。

今日は1リンギのお札が足りなくって、洗濯を外に干した。

「ああ、めんどくさい」と、これまでよりは遥かに楽なはずなのに、なぜか手洗いのときよりもめんどくさく感じる謎な私。

マレーシアでは、晴れていても、とつぜん大雨がふる。
でも大雨がふる前に、おおきな雷が鳴るということにだんだん気づいてきた。

今日はお家でゴロリンとしてたので、雷が鳴ったと同時に洗濯物を取りに行った。いつもは濡れてもいないので、湿気で湿って、乾くのにの3日もかかるのに、今日は洗濯機のお陰で1日できれいに乾いた。

洗濯物をとり、この文章を書き終えた頃に、雨が降り出してきた。
ここの雷はカラダまでズンズンと響く。でも、誰も驚かない。「なんで驚くの?」と、昨日マレー人に言われて笑ったものだ。

毎日毎日、大粒の雨がふるのに、ここの人は傘を持たない。止むまで、みんなで集まってぺちゃくちゃ話をして、待つ。

雨という防具も持たず、待ち合わせ時間には集まらない。
でも、そんなときに生まれた余暇を思う存分たのしんじゃうマレーシアが大好き。f:id:Chii_xo:20170312191909j:image