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きらきらきら。マラッカより。

マラッカにきた。
「来た」というより「連れてきて」もらった。

現在、休暇中の私は、無計画にその日その日を暮らしている。
人を誘うのもめんどうだし、オフの日に頭を使って旅の計画を立てるのが嫌だ。常に頭を使うことを強いられている感じなので、休暇中にそんな莫大な体力を使う気持ちになれない。

というか、私はそもそも中長期の計画がゴロゴロとありすぎて、そこまで手を回すと間違いなくパンクするのが自分でも分かっているのだ。だから、こういうのは自発的に動かずに、テキトーに流される形になる。

そんな私を見兼ねた友だちが、アレコレと計画を立て調べてくれていろいろと連れて行ってくれる。「どうせチイちゃんはどこに行きたいか聞いても何も言わないし、調べてきたよ」と。観光マップを見てもイメージが湧かないし、イメージと現実とのギャップは分かりきっているので、私はその場でそのときの空気と気分で行き先を決める。そんな私に慣れてきた友人は、こう嘆く。

「チイちゃんの気持ちというのがまったく分からないし、コロコロ変わりすぎて予測できないよ」

「誰もわからないよ。だって、私もわからないもん」と私は言う。



旅日記というのは好きではないが、物忘れが激しいので、記録としてちょろっと書いてみる。

その前にマラッカという街が歴史的に有名であるということを説明しておいた方がいいと思う。ここは世界遺産に認定されている街で、過去に様々な国に占領されてきた。

大航海時代ポルトガルから始まり、オランダ、そしてイギリス、日本、再度イギリスですね。だから、様々な文化が入り混じった空間で、洋風だけれども、完璧な洋風ではない感じ。

建築物が洋風なのは分かるけれども、それがポルトガルとオランダのどちらの影響を受けたものかはよくわからない。

町並みを見ながら歩いていると、ミュージアムばかりがある。ミュージアムも内容により好き嫌いが分かれるけれども、町並みの方が場の空気を全身で感じることができるので好きだ。



疲れてきたので人力車に乗った。すごく重そうで大変そうなのだけれど、それを漕ぐお兄さんの横顔がとてもキラキラとしていた。幸せそうなのだ。

「あなたは力持ちですね」というと、キラキラした笑顔で「毎日漕いでいるからね」と言ってくれた。本当に幸せそうで、そんな人が漕ぐ人力車に乗って見るマラッカの街は、なお美しく輝いて見えた。

このお兄ちゃんのキラキラした笑顔に、その背景の中華街が、今日の私の頭にいちばん焼き付いている光景かもしれない。

このように素敵な笑顔ができる仕事ができるのはさぞ幸せだろうと私は思った。きっと、このお兄さんはマラッカも大好きなのだろう。



人力車を降りてからは、漢字がたくさん書かれた店が並ぶ通りに行った。たくさんの中華系が運営している場所なのだろう。

マレーシアはマレー人の次に中華系が多い。

そこでインドネシア発祥のカキ氷を食べた。中華系の人が運営しているお店であった。ここではじめて自分が日本人だと言ってあまりいい顔をされなかった。別段反応をしなかっただけかもしれないし、特に日本人だということは気にしていないのかもしれない。でも、一瞬だけ微妙な表情が店主の顔に浮かんだ気がした。

でも、「とっても美味しかったです」と伝えると、はじめて笑顔を見せてくれた。

次は、気に入った服屋に入って、たくさん試着する。中華系のお店の人にカスタマイズしてもらったり、感想を聞いたりする。「どう?どう?」「こうしたらいいかしら?」などと、たくさん相談に乗ってもらう。手づくりの服で、素敵だったので、4点購入した。割引がなかったようなので、お店のお兄さんが自腹で割引をしてくれて、本当に感動したものだった。

あまりに感動したゆえか、日本人として、中国との微妙な関係に思いをめぐらせた。「どうして仲良くできないのかしら?」と。

そして、お店を出たあとに、私はマレー人の友だちにこう聞いた。

「日本と中国の仲があまりよくないのは知っている?」

「知っているよ」

「どうして?」

「だって、中華系マレーシア人と・・・・・」と、ウンタラカンタラと言う。

ん!?
なんで、そこで中華系マレーシア人が出て来るの? と思った。私は中華人民共和国の話をしているつもりでいたし、そもそも中華系マレーシア人と日本人ってそんなに深い関係があったのかしら? そう私は思った。

そこで、詳しく話を聞いてみた。

「知らないの? 日本がマレーシアを占領していたときに、日本人が中華系マレーシア人をひどく苦しめた (torture) んだよ」と。これは、マレー人よりも中華系にひどく当たったという意味だと私は解釈した。

私はとてもショックを受けた。知らなかった。そして、これはきっと容易に踏み込んではいけない話なのかもしれないとも思った。

それは中華系の人の前だけではなく日本人の前でも。それは、こういう話は証拠を持って事実関係を把握した上で議論しなければならないと言う人がいるからだ。

占領・被占領の関係があると、やはりどうしても占領する側が被占領者につらく当たるでしょうという意見もある。

これは学術的な議論が続くほどに難しくて繊細な話である。



その後は、懲りもせずにココナッツアイスを食べた。そう、あのココナッツ・ジュースは、やっぱりちょっと苦手だった。でも、好きになるまで食べ続けるという強い意志のある私はアイスを食べた。最初、生のココナッツの味を思い出したけれど、次第に美味しくなって、最後には大好きになった。



最後に、クルーズに乗った。マラッカの町並みが心地よくってボーっとした。ただただ、その空間を感じた。

写真は、クルーズに乗るまでの道のり。もっとマラッカらしい雰囲気の写真はあるけれども、それはきっとネットにゴロゴロあるし、みんな見ているだろうから。

空と光がきらきらと輝いていて、心を奪われた景色。

水面に反射する光が、とってもまぶしかった。

 

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