心の皮を剥いてゆく。
好きな人が近くにきてくれた。
私は、すぐに気がついたのだけれど、
非常に具合がわるくて、あと、どんな目で彼を見ればいいかわからなくって・・・。目を見たら、涙が出てきそうだし、自分がこらえてきたものが出てくる怖さ、そして、それをこらえるためには、固い表情をしなければならないことがわかっていたし、相手の目を見るのがこわかった。
それで、目を合わさなかった。泣きそうな目を私はしていたと思う。
彼がそこにいた嬉しさと同時に、自分のかかえている悲しみとが混ざって。
その話をしたら、親友が、こう言った。
「その重〜い鎧を全部下ろしなさいとは言わないけど、兜くらいは取ってみたらどう?」
「好きだから、心の繊細な部分が目に出ようとして、どう行動してしまうか自分でも予測がつかなくて、それを隠そうとする気持ちが働いて、、、逆にツンってしちゃうんだと思う」と私は答えた。
「本当の自分を見せるのがこわい」
「でも貴女はその重〜い荷物をぜーんぶ下ろせる場所を探してるんでしょ?」と言う。
ただ、一度だけ、私は自分が照れた表情を彼に見せたことがある。
それは、自分の病気を明かした後のことだった。彼が、そんな私であっても、受け入れてくれたのだと分かったから、わたしは、とてもほっとできた。
そんなわたしの話を聞いて、彼女が私のある性質に気づいたらしい。
「ちゃんと自分が理解されていると思うと自信とかゆとりが出るんだね。」と。
姉のような親友がこのような結論を出した。