死んでほしいと願った男。

久しぶりにLINEを開いたら、私が「死んでほしい」と心底願っていた男からメッセージが届いていた。殺したいわけではなく、単に死んでほしいだけ。
先週、試験の合格発表だったらしく、無事に受かったようであった。私はそもそもLINEを開かないので当然返事をしていないのだが、相手はあまえて返事を催促している感じであった。
 
「お、すごい、がんばったじゃん」と素直に思えた自分を眺めると、もうこの男への恨みは消えたのだろうか? と思ったが、それは恐らく違う。この男が、いまだにこちらに連絡を取ってくるから、私は彼への復讐の機会を窺っている部分も、すこし残っているなと感じたからだ。
 
徹夜の疲れを、昨日一日ですっかり癒やしたばかりの私は、「こんなタイミングで連絡してくるなよ」と思った。
 
なぜ、この男に死んでほしいと思うのか?
それは、彼が乱暴な形で、私を抱こうとしたからだ。これをレイプ未遂と言うのかどうかは分からない。警察に相談するかどうかまで悩んだが、証拠がない。それで、自分で復讐をすることにしたが、当時の彼氏に「危ないから」と言って強く止められた。
 
男性が女性と寝るために、あらゆるテクニックを使って口説いてくるのは、もう腐るほどある話で、ある人妻が言うように、「若いうちは払っても払っても男性が寄ってくる。性の対象として。」というのは事実である。
 
もちろん、私はそんなものには騙されはしない。むしろ、騙し返すくらいの勢いでいたこともある。それは、男性の本能への恨みである。SEXが嫌いというわけではなくて、こちらに愛情がないくせに「一発やってやろう」という魂胆に嫌悪感を抱くのである。まぁ、妻がいようが彼女がいようが、結婚前夜であろうが、男は口説いてくる。そのときに、私は言う。
 
「彼女とラブラブしてね(はーと)」と、無邪気な顔をして、タクシーにブチ込んだこともある。
 
だから、こういうものを返すのはお手のものではある。ところが、たまに傷つくことがある。今回は、下記の2つの点が理由である。
 
1)誠実に信頼関係を築いてきたと思っていたのに、こちらを騙してでも寝ようとしてきたこと。
 
2)嘘をつき、乱暴に近い形で、SEXをしようとしてきたこと。
まぁ、この場合であっても、私は回避できるのだが(回避率が100%なので、男友達にドヤ顔をしたら、お前、だいぶ危険だぞと注意された)、ときにそれがヤバイ方向に向かうことがある。
 
友達だと思っていたのに、私を騙してでもやってやるという魂胆がミエミエで腹が立った。途中から、その腹の底を見せだしたので、すぐに対応したが、この男は「絶対にやる」という強い意志があったのか、まったく譲らない。愛のないキスはいらない。
 
ここまでしつこいと、私が彼と築いてきた関係は何なのだろうか? と思ってしまった。ということで、非常に強いショックを受けた。
 
でも、まぁコイツとの信頼関係なんて要らねぇということだな。と割り切れるようになった。
表面上は、彼を許したことになっている。それは、やはり男性の性として仕方がない部分があると思うからだ。だから、彼も私にメッセージを送ってくるのである。
 
でも、フタを開ければ空っぽだ。つまり、彼と私の人間関係は、3年前にぶっ壊れたのである。
 
彼は、おそらくではあるが、そこまでの認識はないと思うし、自分の精神状態についてもあまり自覚がないタイプだろうかと思う。おそらく。
 
もう私は傷ついてはいないけれども、この男に復讐するかは分からないので、まだ完全に癒えてはいないだろうとは思う。時間と体力の無駄だから復讐はしないと思ったけれども、この男が私に連絡を取り続けたら、最終的に、私はこの男を傷つける発言をいつかするであろうとは思う。でも、それを止めなければならないのか?